親

幼児期の読書指導の心得

  • 1.一冊の本を30回以上読んであげましょう。一冊の本を読む時間は、ほんの数分間です。毎日3冊位を読むように心掛けましょう。
  • 2.私(小池)の著書の「読み方・読ませ方」の実例は「質問形式」になっていますが、これは年長クラスや小学校低学年の例です。
    • A.年少クラスは「語り掛け」を多くしましょう。
    • 例1.「ようちゃんはおばあちゃんに会えるかなあ」
    • 例2.「ねずみさんは手袋から追い出されてかわいそうね」等々

    • B.年中クラスは「問いかけ」を多くしましょう。
    • 例1.「のろまなローラーは、エライね。どこがエライと思いますか」
    • 例2.「ママがかぜをひいて、パパと子供たちが『ママの仕事って多いんだね』と言っています。なぜ分かったのですか。
  • 3.「読み手」(母親・先生)の上手、下手は、その本に対する「読み手」の感受性、理解力次第です。
    • a.その本を好きになること
    • b.その本に惚れること
    • c.その本に感動すること
    • d.その本に感謝すること
    • e.その本の作者・画家の才能に気付き、敬意を払うこと。
    • f.こんな素敵な本を、自分も書いてみたいと憧れること

  • 4.登場人物になりきって、声優さん以上に気分を出して、身振り手振りで読んであげましょう。そうすると「聞き手」(子供)も引き込まれて、自分も主人公になったつもりで絵本に没頭します。

  • 5.「読書指導」の目に見える効果
    • その1.「聞き手」は、じっと本の話を聞く習慣がくせになって、知らず知らずのうちに集中力が高まります。諺に曰く、「習い性となる」。勉強でも一番大事な要素は集中力です。その集中力が読書で養成されるとは嬉しい話ではありませんか。
    • その2.「読書の質問」の正解は一つではありません。何種類もあります。子供は、あれかなあ、これかなあ、と頭を悩ましているうちに思考力が育ちます。読書指導で正解を教えることはタブーです。ヒントを出して応援しますが、最後まで正解は教えません。どうしてもできないときはパスです。
    • その3.「聞き手」がよく聞いて、よく考えて、よい答えが見つかっても、上手に答えないと相手(先生・試験官)には通じません。表現力(発表力)の問題です。ところが「この話は、誰が、誰に、何を、どうした話ですか」と聞かれて、主語から話し始めると立派に通じます。あっという間に子供たちは、日本語の文法の基本をマスターしてくれます。

以上が、結構ずくめの「読書指導」の入門案内です。「聞き手」の子供のためではなく「読み手」のお母さん、先生方ご自身のために精を出してください。

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