TOPICS

2007年11月30日(金)

フジサンケイビジネスアイ

パソコンウイルス最新事情――目に見えないソフト対策に重点

かつてパソコン通信やフロッピーディスクを経由して感染したコンピューターウイルスは、一般ユーザーには無縁だった。しかし、ネットワークが整備された現在、その侵入方法は多様になり、誰もがウイルスの脅威にさらされている。被害もデータの破損程度では済まない。コンピューターウイルス対策の現状を紹介していく。

今、コンピューターウイルス以上に問題になっているのが、"第2のウイルス"と呼ばれる「スパイウエア」や「トロイの木馬」だ。これらは、メールやWebサイトを通じてパソコンに侵入し、データを外部に流出したり、特定のサーバーを攻撃する足がかりに利用したりする。直接の被害が無いため気がつきにくいから厄介だ。そのため、現在のアンチウイルスソフトは、こうしたスパイウエア対策に重点が置かれている。

そんな中、社員や子供が使っているパソコンを監視するソフトが発売された。家電量販店なら、1万円程度で買える。このソフトをインストールしたパソコンは、常時画面を監視し、表示したWebサイトや送受信したメール、キーボードから入力した文字列、印刷したファイルなどの記録を逐一保存する。

しかも、このソフトには存在を隠す機能があるので、1度このソフトを第三者のパソコンにインストールしてしまえば、後は、メールの盗み読みからデータやパスワードの盗用まで自由自在。まるでスパイウエアなのだが、市販ソフトなので通常のウイルス対策ソフトでは検知できない。米国でも、FBI(米連邦捜査局)による官製スパイウエアが捜査に使用され問題になった。これらの目に見えないソフトは「ステルスウエア」と呼ばれ、増えている。

こうした状況に対し、ドイツのウイルス対策ソフト大手、G DATA(ジーデータ)は、目に見えない市販・官製のソフトを"第3のウイルス"と位置づけ、自社のウイルス対策ソフトに「ステルスウエア」の発見、削除の機能を搭載した。

その日本語版を発売するのは、国産ウイルス対策ソフト最大手、トレンドマイクロ(東京都渋谷区)を創業した吉田宣也氏が代表を務めるサイバーリンク トランスデジタル(東京都品川区)だ。2001年にすでに「製品を売るのではなく、安心を売る必要があります」と語っていた吉田氏ならではの決断だ。

G DATAの取り組みが、ウイルス対策ソフト全体に、どう影響するか、今後に注目される。(ウイルス・ウオッチャー・ジャパン代表 納富廉邦)

TOP    閉じる