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2007年2月17日(土)

フジサンケイビジネスアイ

バックアプ機能で差別化合戦 次世代型セキュリティーソフト攻防激化
MS参入 変わる?勢力図

パソコン向けの次世代型セキュリティーソフトが相次ぎ登場している。これまでのウイルス対策に加え、パソコン内のデータを丸ごとDVDやCD、外付けハードディスクなど外部の記憶媒体に保存するバックアップ機能も備え“防衛能力”を強化したもので、1月末にはソフト界の巨人、マイクロソフトも参入。成長分野のセキュリティーソフト市場は今後、次世代型をめぐる新たな競争のステージに入る。

日本市場に次世代型ソフトの先鞭を付けたのは米セキュリティーソフト大手のマカフィー。昨年9月、データのバックアップ機能を搭載した次世代型「インターネットセキュリティスイート2007」を発売し、コンピューター関連業界の注目を集めた。

従来のセキュリティーソフトは、ウイルスなどによる外部からの攻撃から守るものだった。これに対し、マカフィーの新ソフトは、ウイルス対策のほかに、保存したいパソコン内のフォルダを指定すれば、フォルダ内のデータを定期的に外部の記憶媒体に保存してくれる。万一、パソコンがクラッシュ(機能不全)に陥っても、必要なデータは外部の記憶媒体に残っているから安心、というわけだ。

米マカフィーのクリス・ケンワジー上級副社長は、「今後も未知の危険性への対応能力を高める」とし、さらに機能を強化していく考えだ。

次世代型ソフトの今後成長性に目を付けたのが米マイクロソフト(MS)だ。MS日本法人は、バックアップ機能を持つ「ウィンドウズ・ライブ・ワンケア」を先月30日、最新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」と同時に発売した。同社が一般消費者向けセキュリティーソフトを発売するのは初めてで、市場開拓への意気込みは強い。

今後は、ビスタを導入する法人などにも「ワンケアを拡販していきたい」(高橋正和チーフセキュリティーアドバイザー)とし、OSで圧倒的なシェアを持つ強みを生かし、セキュリティー市場で攻勢をかける。MSが次世代型で参入したことで、セキュリティー市場のシェア地図が塗り変わる可能性も出てきた。

さらに3月には、消費者向けセキュリティーソフト国内最大手のシマンテックが、外部記憶媒体だけでなく、ネットを介入し遠隔地にある同社のデータベースにもデータを保存できる「ノートン360」を売り出す。大岩憲三執行役員は「MSが参入し市場が盛り上がるのはいいことだが、われわれとは経験の差がある。シェアでは他社をさらに引き離す」と業界トップの座を死守する構えだ。

各社が次世代型ソフトに進出したのは、「セキュリティー市場の競争が激化し、他社製品との差別化を図りたいというメーカーの思いが強い」(富士キメラ総研の山本貴史調査員)ためだ。

パソコンを狙うウイルスの脅威は依然として大きく、感染した結果、ハードディスクそのものを交換せざるを得ない事態に追い込まれるケースが後を絶たない。また、パソコンが生活必需品となり、個人情報や金銭的に価値の高い音楽や画像データなども大量に保存するようになったため、「バックアップ機能の需要は今後、高まる」とシマンテックの大岩執行役員は期待を寄せる。

消費者向けセキュリティーソフトの国内市場は、2010年に05年実績比38%増の380億円に拡大すると予想されている。高付加価値の次世代ソフトが登場したことで市場規模がさらに膨れ上がるのは確実で、今後は次世代型の差別化技術の開発競争も本格化しそうだ。

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